昼休みの勧誘─貴方目線─ ページ14
昼休み。
Aは一人で、机の上で頬杖をついていた。
いつもなら咲夜や恋失が話しかけてくるのだが、あの二人は昨日のことの話をする様で、今は不在なのだ。
……何で私は仲間はずれなのかな。
Aはただただそのことについて考える。
昨日の話であれば、私もその場にいたのだ、誘ってくれればいいものを。
確かに軽々しくしていいような話ではないが、何故咲夜は恋失だけを男子トイレへ呼び出したのだろうか。
考えるれば考えるほど、謎は深まるばかりでAは溜め息をついた。
「あ、あの、佐々木さん」
──すると突然、名を呼ばれる。
気付けば目の前には、少しオドオドとした女の子がAを見つめていた。
どうしたの?と、首を傾げるとひとつひとつ言葉を紡ぎ始める彼女。
「佐々木さんって、黒音さんとか、端ノ木さんと、一緒にいるじゃない?」
「うん、それが?」
「あの子たちと、あんまり一緒にいない方が良いよ?あの二人と一緒にいちゃ、皆から陰口言われちゃうよ」
その言葉を理解した途端、何かが胸の辺りから込み上げてきた。
それを必死に押さえながら、黙って彼女の話を聞く。
「春先さんも、佐々木さんも、あの二人から離れて私たちのところにおいでよ、端ノ木さんなんて宿題もしないで絵なんか書いてるんだよ?気持ち悪──」
とそこで、彼女の表情が歪む。
その理由は、誰でもない、Aが物凄い形相で彼女を睨み付けていたからだ。
「私の友達を、悪く言うつもり?」
「えっ……そんなつもりじゃ……」
言葉を濁す彼女を冷たく見据えて、Aは席を立ち、教室から出ていった。
「──私、あの二人と離れるつもりないから」
ただ一言、そう言い残して。
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作者名:中学生なのに暇人 | 作成日時:2014年9月7日 22時