違和感 ページ12
『キーンコーンコーンコーン』
「ほら、あなたたちの耳は
チャイムと同時に3年4組に入ってきた女教員──
「全員出席ね。それと、あなたたちに今日はお知らせがあるわ」
そう言いながら鋭い目で教室を一通り見渡し、再度蝶番は口を開いた。
「一昨日の夜、起きたテロ事件は知っているな」
『テロ』。
そのワードを聞いたのと同時に、全ての人間が同じニュースの内容を連想しただろう。
だが黒音とAは、関連トピックスのように頭のなかに一連の記憶が蘇った。
喋る猫、危険図書、そしてフィクション。
「詳しくはこれを見てくれ」
そう言った直後、クラス中の机の上に置いてあるタブレットに『テロ事件に纏わるお知らせと授業スケジュール』と書かれたファイルが受信される。
黒音もなんだろうと思い、あまり深く考えずに黒音はそのファイルを開く。
そしてその内容に、言葉を失った。
『一昨日、東京管理局を襲ったテログループ内に、元本校生徒、
ドクン、と鼓動が揺れる。
「九縷々烔は自宅で危険図書を書いてたらしいけど。何かとこの学校の生徒は問題を起こすことが多いというか、とにかく皆も巻き込まれないように注意するように」
はーい、と軽やかな返事が教室に充満した。
「……ちょ」
九縷々烔芟花、九縷々烔芟花、九縷々烔芟花ッ。
思い出してみれば覚えていたことを自分に誉めてあげたいような生徒。
数ヶ月前まで同じ屋根の下勉強していた人間が、シケイになったと聞いて──周りの、その反応はおかしいだろ……?
ほぼ他人の黒音ですら、ここまで動揺しているのだ。
いたはずだろう、友達とか親友とかいうやつだって。
(なんとも思わないのかよ?)
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作者名:中学生なのに暇人 | 作成日時:2014年9月7日 22時