らくだい魔女と希望の花

△才能 ページ28

『自分が誰よりも弱いことを知ってるだけ』


チョウチョさんの言う通りなら。


ティアちゃんはつよくない。


それなのに、あたしがティアちゃんを傷つけてる


おかしいよ、それ。

ティアちゃんが地獄って言ってたヤミ市とおんなじ。


「ごめんねっ、ごめんなさいっ！」


頭を下げて謝るあたし。

(頭を下げながらホウキ運転って辛ぁ…)

こんな状況なのに、いやこんな状況だからか、そんなことを思ってしまう。


ティアちゃんは、理解不能って顔をしながらもビュンビュンホウキを走らせてる


つまりあたしはティアちゃんに頭を下げながら、必死でホウキを走らせてる…という事態


「…そんな。わたしの方が悪いのに。フウカちゃんに関係ない、昔のことを思い出して。」


弱々しくつぶやくティアちゃんはあまふわ可愛いティアちゃんとも、クールできっぱりしたティアちゃんとも違う。


普通の女の子だった。



「…わたし、もの凄く魔力が弱いの。人の何倍も努力しないと、普通の人に追いつけない」

「わたし、みんなが０から始まるならマイナス500ぐらいから始まるの。それでみんなにいじめられてて」

昔ってそう言うことなの？

勝手に自分と比べて、才能があるって羨ましがって。


わたし、才能なんてないんだ

彼女が言わなかった言葉も拾えた。

あたしたち、多才だとか、才能があるとか言ってたけど…


全てはマイナスから始まるのに、頑張ってた、ティアちゃんの努力の成果なんだ。


チョウチョさん、チョウチョさんが言ってたのこういうことだったんだ。



やっと、わかったよ…



＊

△強い決意→←△懐かしの銀紙。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す