地味な俺になんで！？2 (ページ10)

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58話ページ10

パシッ

と、突然その触っていた手が誰かに掴まれる感覚

この部屋には俺と智くんしかいないわけで

さっきまでつむられていた目はいつのまにか開かれていた

そして、彼と目が合う

俺の手を掴んでいたのは紛れもなく目の前の彼だった

s｢っ...あ...智、くん｣

やばい

見られてしまった

今だ黙ったままの智くん

まだ寝ぼけているのだろうか、いつもよりボケーとしていた

そのまま彼は俺の手を掴んでいたの腕をそっと下ろし、解放してくれた
それでも無言なのは変わりなかった

s｢あの、智くん...？｣

思わず聞いてしまうと、俺が誰だがわかったのか小さく翔くんと言っていたのが聞こえた

o｢待ってて｣

s｢...え？｣

o｢もうちょっとで完成、だからさ...楽しみに、待ってて、ね...｣

と、それだけ言ってまた彼は眠りについてしまった

...俺はまた君の作品を見ていいのだろうか
...また見せてくれるのだろうか

彼にとって俺は｢友達｣だから、別に普通のことなのかもしれないけど、俺にとっては違うからそんな些細なことでも嬉しかった