地味な俺になんで！？2 (ページ7)

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55話(o視点) ページ7

o視点

松潤がいきなり立ち上がった
行き着く先は翔くんのところ

下を向いている彼に対して松潤はしゃがみこんで何かを話していた。小声で話しているのだろうか、話の内容は聞こえない

その二人を見ていると、いつも嫌な気分になる
それは松潤だけじゃなくて、ニノも相葉ちゃんの時もそうだった

イライラする

胸騒ぎがするのだ

なんでこんな気持ちになるのか、そもそもこの気持ちはなんなのか、それさえもわからない

だからこそこれ以上二人を見たくなかった

けど、なんだか翔くんが泣いているような気がしたのだ

だから｢どうしたの？｣って話しかけようとしたけど、それより先に松潤が彼の手を引っ張って、窓側へ行ってしまった

太陽に照らされてカーテンに二人の影が映し出される。ふたりで向き合っていた

すると、多分松潤の手であろうその手が翔くんへと伸びていき、そっとメガネを外したのが見えた

その瞬間俺は｢あの時のこと｣を思い出した
期末テストの前に翔くんが美術室に来てくれていた時のことを

あの時俺は、色々な翔くんを書きたくて、バレないようさりげなく言ったのだ

『メガネとってよ』

そしたら切なげに彼が

『メガネはとらない。とりたくないの...ごめんね』

と言っていた

その顔があまりにも悲しそうだったからそれ以上聞くことは出来なかった

そう言っていた彼が松潤にとられても平気な様子だった。返してと取り返すわけでもなく、ただただ彼に頬を撫でられていた

それだけ松潤を信頼しているのだろうか

...苦しい

...悔しい

先に見つけたのは俺なのに

イライラが募っていく、これまで生きてきて初めて感じる感情だった

それからしばらくして2人が戻ってきたのだが、その時の翔くんの顔は照れたように真っ赤に染まっていたのであった