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能力名を唱えるとあたし達の居た空間はアンの部屋になる。

待ち構えて居た様にアンが背後に来る。

ここ数日来れなくって淋しがっていたみたい。

大抵の子は此処に来ると可愛い部屋だね、と褒めてくれる。

でもアンを見た途端不気味だと云って怯えて罵る。

彼女は如何何だろう。

「怖い?

この子が」

あたしはなるべく彼女を視界に入れないように云う。

『¥%¢#*%%¢§&★℃″☆£°♂@@§≧∴≧±』

意味判んない言葉が返ってきた。

はっとして顔をあげる。

彼女も同じ顔をしている。

此の部屋では言葉が通じないんだ。

彼女もそれに気付いた様で、能力名を唱える。


一瞬の後、あたしたちはまた彼女の異能空間に居た。

背後に気配を感じて振り返ると、アンが居た。

アンも知らない空間に突然連れてこられたことに対して混乱している。

「先刻何て云ったの?」

彼女が問う。

アンが居るのに怖がっていないみたい。

「この子は怖い?って聞いたの」

「怖くなんか無いわ。

とても可愛い。

その子は幸せね、主人である貴女に愛されてるから」

あたしの問いに彼女は即答する。

「本当に?

皆アンを見ると怖がるの」

「どこが怖いの?

怖いところ何て無いじゃない」

お世辞なんじゃないかと彼女を見るけれど、心底不思議に思ってるような顔をしている。

「有り難う。

あたしの異能は『深淵の赤毛のアン』

アンと鬼ごっこをして捕まったら部屋に閉じ込められるの」

「鬼ごっこなんてしたこと無いからやってみたい。

英語を覚えたら遊んで下さらない?」

「良いわ。

ニホンゴを覚えたら遊んであげる」


彼女は変わってる。

アンを見ても怖がらない。

寧ろ可愛い、とさえ云ってくれた。

「ねぇ沙羅、あたしの腹心の友に成って下さらない?

あたしの初めてのトモダチに」

何となく恥ずかしくって『トモダチ』と云う言葉がはっきり云えない。

断られたら如何しよう、そんな考えは浮かばなかった。

彼女はきっと受け入れてくれる。

逢ったばかりだけどそんな気がしていた。

「良いわ、モンゴメリ。

わたしの初めての友達よ、貴女は」

「あたしの名はルーシーよ。

モンゴメリは名字だわ」

「御免なさい、忘れてた。

ルーシー、貴女はわたしの初めての友達よ」

あたしたちは約束を交わした。


「そう云えばここって時間の過ぎる早さはどのくらいなの?」

「現実世界と同じよ」


『ってことは・・・・・・怒られる!』

あたしたちは急いで部屋から出た。

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笹山花音(プロフ) - きなこさん» 最後まで読んでくださり、有り難う御座いました!大好きとは、嬉しい限りです。応援有り難う御座いました! (2017年8月21日 11時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます! この作品大好きでした。なので、ちょっと寂しくなりますね。これからも創作活動、頑張って下さい! (2017年8月20日 19時) (レス) id: b7dbad87d7 (このIDを非表示/違反報告)
笹山花音(プロフ) - ルルさん» 御指摘と感想有り難う御座います。直しましたが、此れで宜しかったでしょうか? (2017年7月20日 14時) (レス) id: 2d1a61fd05 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - 何度もすみません。時間の辺りから名前が沙羅のままになってます。 (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - タイトル入れ忘れてました。言語の所です (2017年7月20日 14時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:笹山花音 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月19日 21時

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