泡沫の夢であれ【ヒロアカ】 (ページ43)

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Ｎｏ．２６ページ43

「っあ、あの二人も電車通学かな？」

「どうだろう…。聞いてみる？」

「うん！」

そう言ってギンから降りようと頑張る麗日お茶子。足かけるところがないから地味に難しいんだよね～わかる。

という事で降りるのに手を貸すと、ありがとう、と笑ってお礼を言われた。あー、いいね、こういう感じ。友達同士の掛け合い…みたいな。久しぶりすぎて感動だよ。

ツッテケテーと走っていく麗日お茶子を見ながらそんなことを思いつつ、自分も軽く走って追いかけた。ギン？横走ってるよ。

「おーい！お二人さーん！駅まで？待ってー！」

「君達は∞女子と希求くん」

「麗日お茶子です！」

「希求Aだよ。」

歩幅の問題から、丁度麗日お茶子が止まった時に自分も追いついた。飯田天哉に名前を呼ばれたので、麗日お茶子のついでに名乗っておいた。緑谷出久とは話してなかったしね。

「えっと、飯田天哉くんに緑谷…デクくん！だよね！！」

「デク！！？」

「え？だってテストの時、爆豪って人が…『デクてめェー！！』って。」

まぁ普通は珍しい読み方だなーってなって終わりだよね。爆豪勝己も名前にリンクさせてあだ名つくったんだし。うんうんと頷けば希求さんも？！見たいな顔で見られた。うける。

「あの…本名は出久(いずく)で…。デクはかっちゃんがバカにして…。」

「蔑称か。」

「蔑称…。ごめんね。」

「えーそうなんだ！！ごめん！！」
「でも『デク』って『頑張れ！！』って感じで、なんか好きだ、私。」

「デクです」

「緑谷くん！！」

どんな理由であれど、頷いたことは変わらないので素直に謝る。その次に麗日お茶子が謝り、あの伝説の『デクです』が聞けた。浅すぎる、浅すぎるぞ緑谷出久…！！

「浅いぞ！！蔑称なんだろ！？」

「コペルニクス的転回…。」

「コペ？」

飯田天哉の言葉に内心そうだそうだー！と横槍を入れれば、緑谷出久が顔を覆い呟く。麗日お茶子がハテナを飛ばしていたので一応解説だけしとく。

「物事の見方が180度回転すること…だったよね。よくパッとそんな言葉でてくるね～。賢いなぁ。」

「そうなんだー！すごいね！！」

「いやいやいや、そんな事ない…です。」

そんな感じでだべりながら駅へと向かう。ギンは今日の朝の視線の痛さから別ルートで帰ってもらったよ。