Ｎｏ．１９ ページ36
「最下位除籍って…！入学初日ですよ！？」
「いや初日じゃなくても…理不尽すぎる！！」
麗日お茶子がみんな思ってみるだろう事を叫ぶ。…理不尽、ねぇ。
「自然災害…大事故…身勝手な敵たち…。」
「いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれてる。」
「そういう
そうそう、ヒーローを目指すなら理不尽は受け入れなきゃ。じゃないとこの業界では生きていけない。
きつい事を言われてるけど、相澤消太の言ってる事は正しいよ。こんな若い時からそれを教えてもらえるんだからやっぱり君達は恵まれてるんだろうね。
「放課後マックで談笑したかったならお生憎。」
「これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。」
「��
あぁ、分かってるよ。相澤消太。
みんなには悪いけど、本気出させてもらうね。
「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ。」
やるからには全力で。そうだろ？緑谷出久。
右手を握り相澤消太を見る緑谷出久を横目にギンを撫でた。
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
『第１種目︰50ｍ走』
「あ、相澤先生。自分の"個性"だと幅的に２レーン使わないといけないので、順番どうすればいいです？」
「…それじゃあ一番最後に一人でやれ。」
「わかりました。」
ギンの幅的にこれアウトか？と思って相澤消太に聞けば最後に一人でやれと。…なんで最後？？
純粋な疑問が頭に浮かんだが、まぁいいや、と思い直してササッと八百万百の後に並ぶ。
「あら、希求さん。出席番号順なのでもっと前のはずでは…？」
「あぁ、この子が1レーンに収まりそうもないからね。邪魔になったら行けないと思って先生に聞いてみたら、一番最後に一人でやれって言われちゃった。」
別に上鳴くんの後に一人でも良かったのにね。と頬を掻きながら説明すれば、そうでしたの！と少し照れくさそうに微笑んだ。
「すみません、早とちりしてしまいました…。そういう事なら順番が来るまで話してられますわね！」
「…そうだね。」
あまりの可愛さに、ギュン、と心が掴まれる音が聞こえた。今までギュン顔馬鹿にしてごめんよ、緑谷出久。今なら君の気持ちが分かるよ。
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作者名：羅氷華 | 作成日時：2018年1月17日 21時
