Ｎｏ．１７ ページ34
急いで佇まいを直し話を聞く。相澤消太がゴソゴソと寝袋を漁り取り出したのは一枚の体操着。
「早速だが…
わーすごいとーとつー、と思ってもないことが頭に過ぎる。なんかこういうネタあった気がす…いや、ねぇや。
そんな事を考えながらみんなに続いて体操着を受け取り、女子グループと一緒に更衣室へ向かった。
＿＿＿＿＿＿
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「個性把握…テストォ！？」
だだっ広いグラウンドに悲痛な叫び声が響く。そりゃあそうなるよね。
「入学式は！？ガイダンスは！？」
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ。」
そう麗日お茶子が相澤消太に話しかければ、相澤消太は気だるげに返答する。その答えに麗日お茶子は絶句していた。
そういえば楽しみにしてたんだもんね…。相澤消太じゃないけどごめんよ……。
心の中で相澤消太の代わりに謝れば、当の本人はこちらをチラリと見て話を進める。
「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り」
「………？」
まだよく分かっていない生徒達に言い聞かせるように相澤消太は説明を始めた。この人所々優しいよね。語尾とか説明してあげるところとか。
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50ｍ走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。」
「中学の頃からやってるだろ？"個性"禁止の体力テスト」
「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合理的じゃない。」
まぁ、文部科学省の怠慢だよ。といってソフトボール投げのボールを手に取る。自分と爆豪勝己を見比べてから爆豪、と声をかけた。…え、なんで今見比べたよ先生。
「中学の時ソフトボール投げ何ｍだった」
「67ｍ」
「じゃあ"個性"を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい、早よ」
全力で(しかしスルーされた)傾げていた首を元に戻し、爆豪勝己の方へ意識を向ける。
"個性"無しで67とかオリンピック選手のアスリートかよ…。とか思っていたら爆豪勝己が軽く準備運動をし始めた。
思いっきりな、と相澤消太が言えば、爆豪勝己はギラギラした笑みを浮かべボールを投げる。咄嗟にギンに捕まった。
「死ねぇ！！！」
((((……死ね？))))
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作者名：羅氷華 | 作成日時：2018年1月17日 21時
