Ｎｏ．１３ ページ30
えーっと、とりあえず。電車に揺られている間に合否通知が来てから今日までをサラッと話そうと思う。
まず、試験から一週間後。
その日は珍しく救護要請が来なかったので、久しぶりに一日ゴロゴロしてようとレイ達と昼寝してた時だった＿＿
＿＿ケータイからピースサインが爆音で流れ始め、慌てて飛び上がる。滅多にケータイがなる事が無いので全員少しパニクりながら通話ボタンを押した。
「…もしもし？」
『やぁウォルク、今は大丈夫かい？』
「あぁ、根津くんか。大丈夫だよ。」
宛先を見ずに押してしまったので一瞬誰だか分からなかったが、特徴的な声ですぐにわかった。何のよう？と聞けば、根津くんは少し困ったように話し出す。
『"希求Aさん"に合否通知を送りたいんだけど、住所が大雑把過ぎてわからないんだよね。君の親戚だろう？何も無いなら頼んでもいいかな。』
「あーいいよ。じゃあ今から取りにそっち向かうから、校長室の窓空けといてよ。レイと一緒に行く。」
『了解。お茶でも用意して待ってるよ。』
楽しみにしてる、と言ってから電話を切り、レイを呼ぶ。暫くは"ウォルク"としてギンに活躍させられないので、久しぶりのレイの運転だ。
カーディガンを羽織ってレイの上に乗る。薄着でも大丈夫なのはレイが元々『炎』だからこそ。みんなは3月上旬に薄着しちゃダメだよ！
そんな事を考えながらレイのジェットコースター運転をたのしむ。クルクル縦に落ちていったり、空中一回転とか。このジェットコースター運転のお陰で高い所が大丈夫になったよね…。
まぁそんな事は置いといて、だ。
根津くんが今日自分を呼んだのは、多分今後の"希求A"としての行動について。あと自分の住所バレを防ぐため…かな。
きっと行動については体育祭とかインターンとかそこら辺の事だよね。体育祭に関しては自分も悩んでた所だから、話題に出なくても聞かなきゃな。
そこまで考えると、とても目立つH型のビルが目の前に。とりあえず行くかとレイに場所を案内しながら校長室に入った。
「来たよ、根津くん。」
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作者名：羅氷華 | 作成日時：2018年1月17日 21時
