Ｎｏ．１２ ページ29
＿＿「実技総合成績出ました。」
「救助Ｐ０で2位とはなあ！！」
「「
「対照的に敵Ｐ０で8位。」
「
「思わず『YEAH！』って言っちゃったからなー」
「しかし自身の衝撃で甚大なる負傷…まるで発言したての幼児だ。」
「妙な奴だよ。あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった。」
「細けえことはいいんだよ！俺はあいつ気に入ったよ！！」
「…まぁでも、やっぱ1番はこいつだよな」
「敵Ｐ、救助Ｐ合わせて
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
「とりあえず、いつも通りにメンテ終わったバイクとベルトを『空間』に入れて…。あっ、定期！危ない危ない。」
バタバタと家の中を灰色のブレザーの制服を着て歩き回る。ひらひらと舞うスカートをシズに少し引っ張られ、時計を見ればもう出なければいけない時間。
「うっそ、ありがとうシズ！レイ、お留守番頼んだよ。じゃあギン、行こうか。」
腕を差し出し、首で丸まってもらう。左手で家の鍵を締め、『空間』を開いて最寄り駅の近くの路地裏に出る。
因みに駅を使う理由はなるべく怪しまれないようにだよ。『空間』は便利なんだけど、バレた時めんどくさいからね。
何年も前の普通に働いていた時と同じように改札を通り、エスカレーターに乗る。ケータイを弄りながら、周りの声に耳を傾けた。
「やべぇ、雄英の子がいる…！」
「賢いんだろーね…」
「あの毛玉は"個性"なのかな〜。」
そんな人の噂話を遮るように新しい車両が入ってくる。終点の駅なのであまり人はいなかった。
すれ違う人の視線を感じつつ、気にしないふりをしてエスカレーターを降り、先についていた車両に乗り込む。空いていた席に無地のスカートに皺がつかないよう座った。
…ここまでくれば、もうみんなわかるよね。
お察しの通り、本日雄英高校の入学式です。
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作者名：羅氷華 | 作成日時：2018年1月17日 21時
