泡沫の夢であれ【ヒロアカ】 (ページ25)

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Ｎｏ．８ページ25

「質問よろしいでしょうか！？」

静かだった(？)会場に良く通る声が響いた。飯田天哉だー！！

度重なるキャラとの遭遇(一方的)に、入試中とはいえテンションが上がる。さっきまでの羞恥心？知らない子ですね！

「プリントには四種(・・)の敵が記載されております！誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態！！我々受験生は規範なるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです！！」

「ついでにそこの縮れ毛の君。先程からボソボソと…気が散る！！物見遊山のつもりなら、即刻雄英(ここ)から去りたまえ！」

「すみません…。」

飯田天哉、好きなんだけどなぁ…。真面目過ぎて入学当初はヒーローに向いてない性格してるよね。

なんて上から目線で物を言ってみるけど、考えて見ればまだ中学生なんだしね。そりゃあそんな感じだな。

「オーケーオーケー受験番号7111くん、ナイスなお便りサンキューな！」

そんなくだらない考察をしていれば、プレゼント・マイクが説明を続けていた。少し丸まってきていた背を伸ばしプリントを見る。

「四種目の敵は０P！そいつは言わばお邪魔虫(・・・・)！スーパーマリオブラザーズやったことあるか！？」

レトロゲーの、と続けるプレゼント・マイク。あれもレトロゲー扱いされる時が来たんだな…と何年も前から使っている例え話に一瞬思考を飛ばす。
ザワザワとしている声に引き寄せられるようにハッと意識を戻した。

「俺からは以上だ！！最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼンしよう。」

「かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った！「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と！！」

「"Plus ultra"！！」

「それでは皆、良い受難を！！」

あぁ、わかってるよプレゼント・マイク。

何千年も生きた自分の心にも響くプレゼンにクスリと笑いを零し、紙を粗末に掴んでバックに突っ込んだ。

「頑張ろうね。」

波に流されないよう、早めに会場から出ていく。

ギンの頭を撫でてやればがる、と小さな声で鳴いた。