壱話 ページ3
「待て待て待て待て、ちょっと待て。」
誰かが私の目に貼っ付けでもしたのか？
いや、それならば目に違和感があるはず。
それすらもないということは、そういう事では無いということ。
それじゃあ誰かが私の脳内を弄ったりでもしたのだろうか？
いや、それも今日の二十一世紀ではありえない事だ。
では、誰がやったのか。
そもそも私は１人暮らしだから…
そう考えていた時、目の前に文字が表れた
＿『MENUボタン』を押してください＿
「…は？」
何だこの文字…とその字を無視して布団から起き上がろうとすると、身体が動かなくなっていた
「え…え？」
その時点で目の前に表れた文字は点滅を繰り返していたが、私は軽くパニックに陥ってしまって『MENUボタン』を押そうという気にはなっていなかった
…のだが。
「うわぁぁあ！！！」
痺れを切らしたように文字はどんどん増えていき、ついには周りの風景が見えないほどまでになっていた。
「何これ…。どうすれば消えんだよ……？」
文字達にそう問いかけても、返ってくるのは『MENUボタンを押してください』という一文だけ。
「…押せば消えるかな？」
もう諦めて『MENU』ボタンを押そうと決心し、勇気を振り絞って押してみた
すると、さっきの文字は何だったのか不思議なくらい一気に消えていき、代わりにフリーホラーゲームとかでよくありそうなMENU画面が開かれた
現実離れしているこの視界に、少々テンションが上がりながらとりあえず『ステータス』を押してみる
「HPにMP…。本当にゲームみたいじゃん」
ぼそぼそと独り言を言いながら弄っていると、気になる項目を見つけた
「『個性』…？」
え、個性って他の人と違う性質や性格とかのことを指す一般的な意味？
それとも、『僕のヒーローアカデミア』のような超人的能力の方？
「もしも『僕のヒーローアカデミア』の方だったら、めっちゃくちゃチートな個性とかなってみたいな〜」
まぁきっと無理だけど。
そんなことを考えながら『個性』を押してみると、私の個性がわかった。
＿＿どうやら、この世界は『僕のヒーローアカデミア』の世界になったようで。＿＿
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作者名：羅氷華 | 作成日時：2018年1月17日 21時
