Colorful stories 3 （W.短編集）

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「「おはよー」」

ハマちゃんと神ちゃんが並んで楽屋に入ってきた。

泊まったん？
どんな話したん…？
考えてもどうしようもないし、俺に聞く権利はない。


あれからたった2日。めちゃめちゃ長く感じてる。
幸か不幸か、アルバム発売日前なのもあって、全員集合が続いてる。




なんて声をかけたらいいかなんて、わからない。
声をかけていいのかも。
でも、このままじゃあかんのはわかる。
このままじゃ、俺が嫌や。

話す内容なんか決まってへんけど、タイミングをずっと見計らってる。

けど、全っ然ない！

ハマちゃんが神ちゃんを守ってて、俺に近づく余地はない。
つまり、神ちゃんは、俺と話したくないってこと。
そらそうよな。フラれた相手、気まずいよな。

「「「おつかれさまでしたー！」」」
「あー、疲れた疲れた」

いつもより何倍も疲れて。
それをチョケたせいにしながら、水を煽る。


と、その時、目の前の神ちゃんが、急に駆け出した。
行き先はハマちゃん。
何か耳打ちしとる。

ハマちゃんの肩を押して背伸びする神ちゃんを、そっと膝を曲げて、ハマちゃんが受け入れる。

“お似合い”やん。
なんて思ったら。
あかん。なんか泣けてきた。




「ほんま⁉︎行く！！！」
「ハマちゃん！その声、収録で出しぃや！」

珍しくハマちゃんの大声が響いた。
小瀧を先頭にいじり倒して沸く楽屋。
いつものメンバー、いつもの楽屋。



「おつかれ」

神ちゃんの声を、背中で聞く。



「最近、ハマちゃんと仲ええなぁ」

そうやねん、淳太。
どう思う？アレ、付き合っとんの？
ハマちゃんって、神ちゃんのこと好きなん？

心の声に、当然返事なんてなくて。


すっかりいつも通りに見える神ちゃん。
変わったとすれば、神ちゃんとハマちゃんの距離感。
と、俺。


自覚してしまった、この気持ち。


俺、神ちゃんのこと好きやん。

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