2度目のキスもあの場所で 2（JW赤×緑）

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「トイレ、」

真っ赤な小瀧が席を立った。

流星と2人きりは、初めて。
けど、前回飲んですっかり打ち解けたから、気まずさなんて全くない。

「望、しばらく帰ってこんな。」
「なんで？」
「たぶん、泣いとる。アイツ、勝ち目ないの、わかってんねん。でも諦められへんくて苦しいんやろ。
シゲももうわかってるんやろ？神ちゃんの気持ち。」

素直に頷くことなんてできひん。

「望、一途やからな。シゲの気持ちもわかるけど。でも、遠慮するんはちゃうやろ。」

早よ神ちゃん、幸せにしたってや。
そう呟いて、すっかり泡の消えたビールを一気に飲み干した。


「望、連れて帰るから、神ちゃんよろしく。ここは、シゲの奢りやろ？」

ニヤリと笑って立ち上がる。

靴を履きながら振り返る。

「望のことは、任しとき。」

真剣で優しい瞳。
流星は小瀧に優しい。
たぶん、そういうこと。

流星になら、安心して任せられるわ。
俺は、神ちゃんを幸せにする。




ほんまはもうちょっと寝顔見てたいけど、明日もあるから。

「神ちゃーん！」
肩を揺らして、優しく起こす。

「ん〜、」

そうやった。寝起き悪いんやったわ。
俺としたことが忘れとった。

「神ちゃん！起きて〜！お客様やで！」
「え⁉︎」

パチリと目を開けて、バネのように起き上がる。
さすが。ホテルマンの鏡やな。
まさか、こんなにすぐ起きるとは。笑

「もう、シゲ。やめてやぁ〜。」

焦ったー、と目を擦る。
やっと開いた目はテーブルを捉えた。

「二人なら、今帰ったで。酔っ払い小瀧を、流星が連れて帰った。」
「なら、俺らも出ようか。」
「もうちょいええやん。俺、もうちょいこれ食べるから、神ちゃんは、コレ。」

デザートメニューを差し出す。
途端にキラキラ目が輝いた。

「チョコバナナパフェやろ。」
「へ？なんでわかったん⁉︎」

バナナチョコパフェ食べる神ちゃん、何回見たと思ってんねん。

「神ちゃん、わかりやすいねんもん。」

そんなこと言えへんから、適当に誤魔化す。


ほんまは、俺のこともっと意識してほしいけど、神ちゃんは、きっと今悩んでんねん。
小瀧のことを真剣に考えてる神ちゃんの気持ちは大事にせなあかんから。

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