2度目のキスもあの場所で 2（JW赤×緑）

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「神ちゃん、ずっと思っててんけど、えらいかわいいキーホルダーつけてんな。」
「かわええやろ？」
「小学校の修学旅行のお土産みたいやなぁ。笑」
「失礼やな。」
「似合うで。かわええ。」

小瀧が神ちゃんの頭を撫でとる。

パーテーションのこっち。
俺、おるんですけど。
仮眠とってたけど、神ちゃんの声で、目が覚めた。
俺がおるのに気づいてないまま、イチャイチャすんなや。
出て行きにくいこと、この上ない。


「ちょ、俺先輩やで！」
「そやけど、ほんまかわいいねんもん。」

ニシシと笑い合う、楽しそうな2人。

「これな？昔、好きな人にもらったもんやねん。」

懐かしむように話してるのは、俺との思い出。
そんな声で、そんな顔して喋るとか、反則やん、
余計、離れられへん。


「ほんま、子どもっぽいやろ。笑」
「…その人のこと、まだ好きなん？」
「うん。ずっと好き。でも、ええの。その人とは、友達のままの方が幸せなんよ。」



神ちゃん…
俺は嫌や。
神ちゃんと結ばれたい。





「ほんまにそれでええの？」

小瀧が、頷く神ちゃんを抱き寄せる。
神ちゃんが俺ではない誰かに抱きしめられてるのを見られへん。
覗いてる罪悪感も相まって、苦しくて、目を逸らす。



「俺じゃアカン？」
「え？」
「ずっと好きやった。５年前から、ずっと。神ちゃんのこと、忘れたことなかった。」
「え⁉︎５年⁉︎」
「覚えてない？お腹痛くて、トイレから出て来れへんくなった受験生。」
「え⁉︎あれ、のんちゃんやったん⁉︎」

「あの時から、ずっと好きやった。もう一度神ちゃんに会いたくて、神ちゃんみたいなホテルマンになりたくて、ここに就職した。
なぁ、神ちゃん。その人のこと忘れるためでもええから。」

抱きしめる力を強める。
戸惑う神ちゃんの顔、見てられへん。

ほんまは飛び出して止めたいけど、神ちゃんを真剣に思ってる小瀧の邪魔をするのはちゃうから。
小瀧には悪いけど、断ってくれることをひたすら祈ってしまってる。


でも、自分を追いかけて就職までした小瀧を無下に切り捨てるなんて、優しい神ちゃんにできないのもわかってる。

やから、怖い。

「のんちゃん。ありがとう。ちょっと考えさせて。」

神ちゃんの震える声が、いつまでも頭に響いた。

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