西の探偵が恋をした (ページ44)

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「神ちゃん、それ、恋やで？神ちゃんは、しげのこと、“好き”なんちゃう？」
「好き…？うん。たぶん、そうやと思う」

“好き”なんて気持ち、知らなかった。
なのに、ストンと俺の中に落ちた。

しげさんを守れるなら、俺はこの命さえ惜しくない。

しげさんは、俺が命をかけて守ったら、喜んでくれる？
…それとも、悲しんでくれる？

俺は、しげさんを守れたら、嬉しい。

人を大切に思う。
それって、めっちゃ素敵なこと。
コレを教えてくれたのも、しげさんやろ？

“しげさんへ

勝手なことして、ごめんなさい。
俺の最初で最後のわがまま、どうか許してください。

しげさんの笑顔が、これからもずっとずっと続くことが、俺の一番の幸せです。

あの日、しげさんに連れ出してもらえて、
好きだと言ってもらえて、

しげさんを守れて、

俺は、世界一幸せでした。

しげは、勝手なことした俺を怒るかもしれません。もしかしたら、自分を責めたりするかもしれません。

けど、これが俺の幸せやって、胸を張って言えます。

ありがとう。

バイバイ

神山智洋”