西の探偵が恋をした (ページ40)

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そこからは、アクション映画を見てるみたいだった。バタバタと神ちゃんの周りで倒れていく大柄な悪い男たち。
神ちゃんと言えば、息一つ上がってない。なんなら、微笑んでるようにも見えて、背筋が凍る。

パンパンっ、

神ちゃんが、掃除が終わったオカンのように手を叩いたのを合図に、

『流星、無事？』
『ん』

インカムから聞こえる淳太と流星の応答。
てか、流星おったんかい。

『プランB終了』
「了解」
「おっけ」
「っしゃー！」

ほらな？
気持ちが一つになった俺らに勝てるやつなんかおらへん。なんか、俺だけ置いてかれてるみたいで悔しいけど…！

流星は神ちゃんの後をこっそり追って、現場の位置データと銃刀法違反の証拠写真を押さえて淳太に送っていたらしい。
それを警察に流して、なおかつ神ちゃん救出の確率が一番高いプランを出してきやがった。

俺の暴走も計算済みやったらしく、止めるべく後ろに控えていたはずの照史とハマちゃんは、きっと敢えて俺を行かせた。
今にもボスと神ちゃんがやり合う可能性があったから、時間稼ぎにはちょうどよかったんやろう。

淳太の合図で、小瀧が警察を引き連れて突入してきた。

そんなこんなで、
恐れられていた組織の歴史は呆気なく幕を閉じた。