西の探偵が恋をした (ページ36)

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流星づてに、組織が動き始めたという情報が入った。

あっちは頭数もう少ないし、こっちには小瀧のお陰で警察も付いている。
弾き出した計画は、
俺が囮になって一網打尽というシンプルなもの。

いよいよ、作戦決行の朝を迎えた。

神ちゃんに勘付かれないよう、いつも通り照史の作った朝食がテーブルに並んだのを見て、階段を上った。

「神ちゃぁん、朝やで〜」

ドアノブに手をかけた途端、いつもと違う空気。
ドアを突き飛ばすようにして部屋に入り、ベッドに駆け寄る。
膨らんだ布団を剥ぐと、そこにはA4の紙が一枚置かれていた。

一目で流星の文字とわかるソレを手に取ると、その下には、淡い緑色の封筒。

“しげさんへ”

その呼び方で神ちゃんのものだとわかる。
初めて見る文字。思ったより角ばった文字が几帳面に並んでいた。

“神ちゃんから、預かった手紙、直接渡せんでごめん。
神ちゃんは、初めから全部気づいました。
しげを守りたい一心で、しげに隠れて組織に乗り込むつもりです。
しげのこと思う気持ち、どうしても止められへんかった。ごめんな。

この手紙は、もしもの時にしげに渡してほしいと頼まれました。まぁ、俺が一緒に帰ってくるから必要ないんやけど。
俺、絶対なくすから。笑

あ、渡したのバレたら神ちゃんに怒られるから、内緒でよろしくー

じゃ、また後で。

流星”