西の探偵が恋をした (ページ35)

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「淳太、送信者は？」
「海外のサーバー。無理」

「しげは？気配感じひんかったん？」
「ごめん」

「てことは、あちらさんも本気ってことや。神ちゃん取り返すつもりか」
「アカン！」
「わかっとる。俺らかて神ちゃん渡すつもりはないし」

いつもは俺が出す指令を照史が的確に出していく。
俺はそれを黙って聞く。

「照史、俺は？」
「しげは神ちゃん担当。神ちゃんに疑われへんように、適度にイチャイチャしとき？んで、しげ。お前、顔ひっどいで？俺らのこと信じいや？“ボス”」

「神ちゃん、しげを狙うよう言われとったんやろ？その前の、ほら、あの事件で、あちらさん、うちの事務所のお陰でだいぶ痛手負ったからな。
もともとターゲットにしとった天敵と取り返したい右腕。二人はおっきな爆弾ってわけよ」
「あ〜ぁ、デートはしばらくお預けかー」
「色ボケ野郎」

珍しく淳太がツッコめば、緊迫した空気が少しだけ緩んだ気がした。

「照史…お願いがある」
「…なんや？」

急に真顔になった俺に、メンバーの顔には緊張が走る。

「4月23日までに片付けてくれへん？」
「わかった…理由は…訊いてええやつか？」
「付き合って一ヶ月記念日」
「うおぉぉぉい！！！」

照史の声が響いた。

白い目で散々見られながらも、
計画は俺も含めて、秘密裏に詰められてった。