西の探偵が恋をした (ページ4)

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俺の部屋のドアを閉めたと同時に電池が切れたように倒れ込んだ彼。
泣き疲れたのか、すぐに寝息をたて始めたから、俺のベッドに寝かせて事務所に降りる。

「おい、しげ！その子連れてきてよかったん？」
「例の組織のやつちゃうん？」
「たぶん、そう。で、あの子、ヤバい」

自分の眉間に、指でピストルをつくって当てる。

「マジで⁉︎それ、相当やん」
「しげの感覚が負けるとはな」

銃口を向けられたことすらなかった。
その前に、返り討ちにしてやるから。
とは言うても、俺らは探偵。
武器なんて使わんと、その場を乗り切る天才たち(自称)の集団。

「でも、大丈夫。あの子に殺意はなかった。最初っから」
「けどっ、」

リーダーである俺に抗議の声が上がったことはない。

どう説得しようか。
どちらかと言うと口下手やしな、俺。

そんなことを考えてるうちに、

「ただいま〜」

コテコテの播州弁で緊迫した事務所の雰囲気を壊したのは、副室長やった。

大仕事の後とは思えないほどの平和な声。

ハマちゃんが連れてるのは、この前世話になった警察の坊や。
もともと現場でよう見かけとった。
背ぇ高いし、声デカいし、態度もデカい。無駄にイケメンやから、妙に目立つんやもん。

丸腰の探偵としては、警察の協力があるのとないのとでは大違い。
ありがたいコネクション。