西の探偵が恋をした (ページ27)

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翌朝届いていた小瀧からのメール。
もうお母さんに知らせが入った頃やろう。そしてこの後、神ちゃんにも知らされる。

ニコニコキッチンに立つ神ちゃんは、まだ何も知らない。

「しげさん」
「ん？どうしたん？」
「何かありました？元気ないです、よね？」
「二日酔い」

昨日飲んどいてよかった。ぶすくれるのにちょうどいい言い訳。
神ちゃんと出会ってやめた酒。
昨日は夜中、久しぶりに飲み明かしてしまった。

「寝た方がいいです。目が腫れてます」

眉間に皺を寄せて、覗き込んでくる。

「神ちゃん、一緒に寝てくれる？」
「はい！」

言うと同時に、電話が鳴った。
時計の針は、ちょうど午前9時を指していた。
いつも通り張り切って受話器をとった商売人の声が、一気に曇る。

ついに来た。
意外と取り乱すこともなく、平静を装ってる自分を褒めてあげたい。

「モンチ、望から」
「のんちゃん？はい」

相槌を数回打つと、あっさりと受話器を置いた神ちゃん。

「母が、見つかったそうです」

いつもと変わらない声で、
けど背中を向けたまま。何を考えてるのかは、わからない。
肩が震えてる気もするし、そうでもないような気もする。