西の探偵が恋をした (ページ25)

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呼び出しなんて初めて。
向かうのは、小瀧の勤務先の＿＿署。

あの小瀧がハマちゃんやなくて俺に電話。
しかも真夜中。(おそらく一人でいる時間を狙って)

声のトーンだってちょっと暗かったし、
お前誰やねん！ってくらいめちゃくちゃ改まった喋り方してたし。

嫌な予感しかせえへん。
足取りは重い。

約束の時間に行けば、入り口に立って待ってた小瀧。目が合うと作り笑い。
俺の観察眼、舐めとんな。

「ちゃんとお巡りさんやってんねや」

軽口にも、ぎこちない笑い。予感が確信に変わる。

会議室らしい部屋に通された。いつの間にかファイルを手にしていて。
無駄に広い部屋で、ポツンと向かい合う。

「しげ、ごめんな急に」
「真面目な話やろ？前置きはいらん。教えてや」
「ちなみにみんなは」
「のほほんとバーベキューしてる」

「みんなには何も言うてへん。酒飲みに出てることになってる」
「神ちゃんのことやねんけど…」

そうだと思ってた。
一番聞きたくなかった話。
けど、俺が聞かなきゃいけない話。

「神ちゃんについて調べてるんやけど、まぁ出生やらあの組織に渡った理由やら。全部話す？」
「いらん。要件だけでええ」

あの子が知らんこと、話したくないことを、俺は知りたくない。いつか話してくれたら聞くし、一生話さへんのならそれはそれでええ。

何があっても、あの子は俺が守る。
俺が幸せにする。

決まってるのは、それだけ。