西の探偵が恋をした (ページ22)

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「しげさん」

特に依頼もない比較的平和な朝。
朝食を終えてハマちゃん特製のコーヒー飲んでたら、神ちゃんが隣に座った。

「サンドイッチ、好きですか？」
「おん、好きやけど」
「あっくんから教えてもらって作ったんですけど」
「え！食べたいっ！めちゃめちゃ食べたいっ」
「うるさいしげ、落ち着け。お前に作ってくれてんから」
「まじで…っ、」

幸せ！めーっちゃ幸せ！
両思いってええもんやねんな。
世界中のカップルにおめでとうって言って回りたい気分！

「外で食べたいなぁと思って…その、」
「ほんならバルコニー行こか？」
「ちゃうやんか、も〜！これやから恋愛初心者くんは！でぇと♡したいってことやんかぁ！」
「あっくん！！」
「ええのええの。こいつ言わなわからんヤツやから、はっきり言いや？」
「俺もデートしたい！それやったら、そうや、ええとこある！車借りんで！」

ダッシュで支度を終えると、玄関には、バッグ抱えた神ちゃん。
荷物を受け取ると、助手席に座らせて運転席に乗り込んだ。

近っ

運転席と助手席。ふれてもないのに、横を向けばすぐ近くに神ちゃんがいる。
この狭い中に二人だけ、ええ匂いするし、息づかい聞こえるし、めちゃめちゃドキドキする…

それは神ちゃんも同じらしく。

「なんか、恥ずいですね、」

って言ったっきり、黙り込んでしまった。

俺も緊張しとるし、沈黙くらいでちょうどよくて。