西の探偵が恋をした (ページ16)

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「流星、ええやんか」
「な？似合うやろ？」

表向きはそんな会話しながら、視線がぶつかるとこっそり頷く。
流星も、ニィっと片方の口角上げて笑った。
ほらな？こんなんしてて、実は凄腕(カメラマンやけど)

みんながあんまりジロジロ見るから、視線に耐えきれなくなったらしい。
じりじりと下がって、流星の後ろに隠れる神ちゃん。
豹柄のカーディガン、ぎゅって掴んで。

流星との距離感が縮まってるんが嬉しいんやけど悔しい。

…嘘。

めっっっちゃめちゃ腹立つ！！

「神ちゃん」

俺が呼ぶと、じーっと見つめる。

「おいで？」
「はいっ」

俺の言葉に満面の笑みで駆け寄ってきて…
そんな嬉しそうな顔したら、
俺が呼ぶん待ってたんかなぁ〜、なんて期待してしまう。
いつもなら隣に座るのに、今日は正面に立ったまま。目も合うと逸らすから…

「どしたん？」
「…髪の毛、変ですか？」

俺の反応、待ってたんやって！
なんなん！そのかわええやつ！！

「かわええ！めっちゃくちゃかわええ！！」

「天使か思ったもん！」

よかったぁ
そう言うと、ほっぺ赤くして、やっと隣に座る。
近くで見ると、ふわふわしててやらかそうで…

そっとふれると、ビクリと肩を震わせて、俺の方を上目遣いで見つめてくるから。

「似合ってんで？」

こっそり耳元に囁いた。