西の探偵が恋をした (ページ15)

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「買い物、行ってくる」

神ちゃんの手を引いた流星が突然宣言して出てってから、もう9時間が経とうとしていた。
辺りも暗いし、一緒なんが流星ってのが心配。

さすが流星。本日彼の携帯は、来客用のテーブルにある。携帯は携帯しない。彼の常識だ。

痺れを切らした事務所の面々が探しに行こうとノブに手をかけた時、ドアが急に開いた。

「た〜いまぁ〜」

こっちの心配なんかつゆ知らず、呑気な声。
デカい図体の後ろに隠れてるのか、神ちゃんは見当たらない。

「流星、今までどこ行っとったん！！」

そう言いたかったのに、最後まで言えなかった。
流星の後ろから顔を覗かせた神ちゃんと目が合って…

「神、ちゃん…？」

呼ぶと、くしゃぁっとシワを寄せて笑う。
うん。間違いなく、この笑顔、神ちゃん。
それにしても、イメチェンしすぎちゃう？
ほら、メンバーも固まっとる。

かと思いきや、

「神ちゃん！かわええ〜！」

突然飛びついて頬擦りするお巡りさん。

黒革ずくめの服装に、ふわふわのキレイな金髪。

「神ちゃん、金髪してみたかってんて？やから、ついでに服もイメチェンしてみた」

ドヤ顔の流星。
ブラックコーデ、ええやろ〜
そう言う流星は、いつも豹柄。

きっとこの間、俺とハマちゃんが話しとったん聞いてたんやろう。

向こう組織のやつが、神ちゃんが生きてることに気づいたら大変やん、って。

やから、まずは見た目からってわけ。