西の探偵が恋をした (ページ11)

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そういうキャラちゃうのに…っ！

そう思いつつも、

「ええなぁ、“神ちゃん”やって！どう？気に入った？」

神ちゃんに向ける声は、甘くなる。
神ちゃんはというと、頷き終える前に声を上げて泣き出した。

「あり、が、と、ござい、ます」

「うれしぃ、っ、」

“グリーン”
記号で呼ばれてきた彼にとって、
初めて親しみの込められた、彼自身に向けられた名前。

アンバランスやなぁ…

体と要らん技術だけ成長して、心が置いてけぼりにされてきたんやろう。
時々見せる子どもっぽい仕草や表情を見ると、大切にしたい、もっと甘やかしてやりたいと思う。

「俺らで神ちゃんの心、引き受ける。ええよな？」
「もちろんやし！」
「バッチこーい！」
「なんで望が一番はりきっとんねん」

立ち上がった警察の坊ちゃんに、流星のツッコミが響いた。
と言いつつ、もう名前呼び。お前もどんだけ仲良うなってんねん。笑
神ちゃんはといえば、まだ赤い目を細めて、嬉しそうに笑った。

「えー！笑ったらめっちゃかわええんやけどー！」

「神ちゃーーーん♡」
「うわぁ、」

歓声が上がって、小瀧が俺の腕を掴んでた神ちゃんを攫ってった。