Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ6)

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「あぁ、風呂入ったらお腹減ったわ」
「チョコタルト、食べよ？」
「手作りしてくれたんやろ？食べる！早く食べたいっ！！」

甘いシャンパンは、大ちゃんのお土産。
冷蔵庫には、一周年の記念に、昨日タルト生地を焼いておいたチョコムースタルト。

ゆっくり進む、夜の時間。

「とも、酔っ払った？」
「んーん、大丈夫。大ちゃん、結構飲んだよな？」
「へへ。開放感？飲んでもうた〜」

「タルト、うますぎ！幸せすぎるっ！お替わりくださぁい！」

普段は仕事でのお付き合いが多いから、うちではめったに飲まない大ちゃんが、真っ赤な顔でヘラヘラしてる。
かわいいなんて言ったら、たぶん拗ねるから言わないでおいてあげる。

「また明日食べよ？今日はもう寝よか？」
「えぇ！せえへんのぉ？」

強引に膝枕して、ほっぺ擦り付けて、
甘えん坊の柴犬みたい。笑

「ええけど、大ちゃんもう眠そう」

「明日にしよ？」

そう言うたのに。

結局ベッドに並んで入れば、大ちゃんが覆い被さってきて。
酔いなんて一瞬で覚めたらしく、いつもの優しくて甘くて、ちょっとえっちな大ちゃん。

いっぱいキスして、

体温を分け合って、

愛をお腹いっぱい注ぎ込まれて。

シャンパンより、

チョコタルトより甘い夜。

今日も、

幸せすぎる夜。