Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ5)

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「そいえばさぁ、ともんとこ、新入社員来たやろ？」
「うん、4人」
「教育係さん、よろしくな？」
「びっくりしたわ、まさか俺とは思わへんかった」
「照史の推薦。面倒見ええし、仕事丁寧で速いからって、期待の新人につけさせろってわざわざ部屋まで直談判来たもん」
「まじで⁉︎」

素直に嬉しい。
あっくんに認められるの。

「ほんまはさせたくなかったけど」

「他の男の世話なんかさせたないしさ」

「せやけど、仕事やからハンコ押した」

めーっちゃ不安そうに言うから。

「できるか心配やけど、がんばるから」

「大ちゃんの会社のためやもん」

「どんなイケメンでも、どんなにいい子でも関係ないで？俺には大ちゃんがおるし」

「しかも男同士やん。そうそうないって。普通、女の子の時心配するんちゃうの？」

「とものかわいさは性別を超えんねん」

「若干9歳でともに惚れた男がここにおんねんけど」

のぼせるとあかんからって、
抱きかかえられて、バスタオルで包まれて。

あの日もそうやった。
俺が寒い寒いって言うたから、トンネルの中に避難して。

大ちゃんのパーカー貸してくれて、

手ぇ繋いでくれた。
俺にはいっつも心配症な大ちゃん。

“けっこんしような”

その言葉をなんの疑いもなく受け入れた自分が不思議やけど、きっとその時から大ちゃんのこと好きやったんやなって今なら自信をもって言える。

「何考えてんの？」

たぶん、わかって聞いてる。
顔が嬉しそうやもん。

「たぶん大ちゃんと一緒」
「やっぱり？」
「ちょうど一年やもん、あれから」
「毎日幸せ」

手を繋ぐたびに思い出す幼い大ちゃんの告白は、一番の思い出で、一番の宝物。