独占欲 ページ40
青side
「で？お前は誰好きなん？」
さっきまで400人の前に立って話してた、修学旅行実行委員長のしげ。生徒会長もやって、修学旅行も仕切って、サッカー部のエース。
「女なんかキョーミないわ」
吐き捨てるように言う。
「もったいな！しげなら選びたい放題やろ」
「俺見たで！この前マドンナからも告られてたやろ！」
「俺聞いた！女子が、しげにひどいこと言われたって騒いどったで！」
「好きやないってはっきり言うただけやし」
「言い方ってもんがあるやろ」
「気ぃ持たせる必要ないやろ」
「けど」
「だいたい言いふらすような奴やん、実際」
「これやから女は嫌いやねん」
修学旅行定番の恋バナにも、しげはそっけない。むしろ嫌悪感丸出し。
それでも、修学旅行初日の夜、男ばっか集まれば話はそういう方向に向かうわけで。
「俺、今日告ろ思って」
言うたのは、サッカー部のエース。
「マジで⁉︎」
「誰⁉︎誰⁉︎」
「神山」
意外な言葉に、どっと沸く。
あまりの声に、ドアの隙間から先生が睨んだ。
「罰ゲームやん！」
「そ。男のくせに無駄に綺麗やん？女子とばっかつるむし」
「泣かせてみる？」
「えぇ！どっちの意味⁉︎」
「ええやん！」
下品な笑い、吐き気がする。
めんどくさいことになってきた。
けど、知っていてスルーするのは、どうも性に合わない。
しげはと言うと、我関せず。ノーリアクションでスマホをさわっている。
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作者名：7129
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時：2023年11月27日 20時
