Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ37)

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「なぁ、今度聴かしてや」
「そんな…全然上手くないんで」
「俺も全然よ。けど楽しいんよなぁ、やからやめられんねん」「わかる！」

温度が上がったのがわかって。

「楽器触ってる時間、めっちゃ好き！」

「気ぃついたら夜中になってたり」

「時々ご飯食べるのも忘れちゃって」
「かわい」
「っ、」

つい、そのキラッキラに輝く瞳に吸い込まれて、口をつく。

「また行くな、お店」
「あ、はい」
「次のバイト、いつ？」

神ちゃんが口ごもると、

「明日よな？神ちゃん」

向こうのハマちゃんさんから助け舟。てかハマチャンさん、存在忘れてた。

「ゴメンナサイ」

心の中で謝ると、

「ハマちゃんも明日行かん？」
「お。ええなぁ。しげちゃんは？仕事、大丈夫なん？」
「おん、いっつもレッスン帰りやねん」
「アイドルさんも大変やなぁ」

まるで初対面とは思えないやりとりをする俺らに挟まれて、めちゃくちゃ挙動不審な神ちゃん。

「しげちゃん、がんばりや！」

ハマちゃんの激励を受けて拳を握ると、電車を降りた。