Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ26)

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こっち向いてよ、カミヤマくん！ページ26

緑side

はぁ…まじでかっこいい、ほんま無理。
なんでこんな顔が世界に存在してんの⁉︎

笑った時の目尻、

片っぽだけのエクボ、

でっかい口、

白いとうもろこしみたいな歯…

全部好きすぎてどストライクすぎて、マジで無理。

さっきメール見てすぐ最寄りのコンビニで受け取ってきた雑誌。
そそくさと封を切って取り出すと…

ひぁぁぁぁ！涙
マジで無理ぃ！！！

しばらく悶絶しながらもようやく心臓が落ち着いてきて。
表紙をめくればまた悲鳴が上がる。
とりあえず、一旦、雑誌を閉じた。

「なんなん⁉︎ほんまっ！マジでっ！！」

部屋で一人騒ぐ自分が怖い。けど、やめられへん！

ほんまは雑誌ごとぎゅうぎゅうに抱きしめたいけど、皺が寄るのも無理。行き場のないこの気持ちは、声にならない声になって空に消える。

インタビュー読むのなんて、まだ無理。心臓壊れちゃうから、一旦寝かせとこ。
そっと閉じて、表紙コレクションの棚に並べた。

今日も無駄にライブの当選もっかい見直して、夢じゃないって確認して、

うちわの文言悩む毎日恒例の時間。

“投げチューして”
男が持ってたら目立つやろ！…恥ず。

“ハート作ろ♡”
シャイなしげは絶対せえへん！

“魔法かけて”
無理無理、絶対せえへんやろ！

“3秒見つめて”
そんなに見られたら俺が無理！

目が合うだけでええねんけど…どうしたらいいん⁉︎みんな、どうしてるん⁉︎

何でも聞いてくれる包容力の塊のような友人にラインを送る。