Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ24)

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大毅くんのおうちに向かう途中、
視線を感じる。
よく見なくてもわかる。向こうの木陰から覗く明らかに街から浮いた2人組。見覚えのある黒づくめの服装に、一気に体が強張る。

大丈夫、大丈夫！
ここ地元ちゃうし！アレが元仲間とは限らんし！
てか！もう金髪でもないし！気づくはずない。うん、大丈夫！

できるだけ自然に、ナチュラルに。
ケーキの箱をしっかり抱えて、大毅くんの腕を掴んで、ちょっと隠れたりしながら歩く。

「…じゃね？」
「まじで⁉︎」

明らかにこっちを見て上がったテンション。頼む、来ないで！絶対来ないで！

中学までヤンチャしてた。たまたま巻き込まれたケンカ。負けへんかったからってアタマなんて呼ばれて。みんなで担ぐから断られへんくて。
そら、いろいろあったけど。
あんな黒歴史、大毅くんに知られたら…

捨てられる！
そんなんぜっっったい嫌や！！！

「大毅くん、行こ！」

腕を引くけど、無惨にも、二人組は目の前に立ちはだかった。

「あのっ、」
「大毅さんっすよね⁉︎」
「へ？」

「俺っす俺っす！前ヅカとやった時、助けてくれたやないですか！」
「え、なんのことですか？」

「てかお前！大毅さんから離れろや！」
「このお方がどんなお方か知ってんのか⁉︎紅の恐牙、大毅さんやでっ！！」
「え…」

びっくりしてる間に突き飛ばされて、
ケーキの箱は、地面に叩きつけられた。