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「大毅くんっ！」
「とも、こんなところでどうしたん？」
「あ、のんちゃんと」
「ほっ、本屋に！参考書選びに行くねん！」
「な？のんちゃん！」
なんとか誤魔化したものの、神ちゃんの腕をしっかりホールド。離してくれへんと、オソロ買ってもらわれへんでー！って言いたくなる。笑
「大毅くん、明日一緒に帰れる？」
「当たり前やん！」
「じゃ、今日はがんばって参考書選んでくる！」
ようわからん言い訳で必死に巻こうとがんばる神ちゃん。察しろや💢しゃーなし、助太刀。
「なぁ、」
しげの耳元に。
「もうすぐ記念日なんやろ？この前言うてたケーキ屋さん、ちゃんと予約したん？人気やから、前日でも予約分完売とかあるで、あそこ。今日行ったら確実やろうけど」
「まじで⁉︎サンキュー！小瀧！」
まじ半端ない変わり身。
「じゃあ、明日」
甘ーい顔で手を振った。
ほっと一息ついたところで。
「神ちゃん？神ちゃんよな！うわっまじで？久しぶり〜！！」
しげの向こうから駆け寄ってきたのは、
まさかの、藤井流星…！
神ちゃんと共にヅカを牛耳っていた長身イケメンは、今だに金髪ロングで、龍のスタジャン。
「りゅっ、」
一瞬ぱあっと明るんだ顔に焦りが走る。
流星の向こうのしげは、訝しげに、穴が開くんちゃうかってくらいこちらを見つめている。
「藤井くん！ちょっと来て！」
二人で背中向けて、コソコソとやりとり。それをジーッと眺めるしげは、まるでドーベルマン。今にも牙を剥いて噛みつきそう。
「アイツ、中学時代の友達やねん。元カレとかちゃうし、心配せんでええから」
「えらい派手やなぁ。とも、あんなのと仲良かったん？」
「かっ、神ちゃんはさぁ！誰にでも優しいええ子やから。な？」
なんとか誤魔化してやってるのに、振り返った藤井流星は、楽しそうにしげを見ると、神ちゃんを正面から抱き上げた。
「んなっ！！はぁ⁉︎」
爆発寸前のしげを見てケラケラ笑うと、
「じゃ、また！神ちゃん、会えて嬉しかった」
颯爽と去っていった。
「じゃあね！大毅くん！行こ？のんちゃん！」
そそくさと二人で街中に逃げ込んだ。
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作者名：7129
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時：2023年11月27日 20時
