Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ20)

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桃side

「一ヶ月記念やし、気張ってるとは思われたくないねん」
「わかる」
「ケーキは食べようって言われてん！やから、そん時に、なんかさりげなく渡したいねん」
「なるほどね」
「けど、重いと思われたくないねん」
「思うわけないやん！絶対喜ぶやろ」
「それやったら、何かお揃い買ったら？シャーペンとか。かわいかったから買っちゃった〜言うて」
「オソロ…やばぁっ！！！」

一気にテンションマックス。
これが中学まで地元で有名だったヤンキーの頭とは誰も気づくまい。当時はこんなかわいらしい子やとは知らんかったし、俺も怖くて口きいたことなかった。笑

もともと担がれるように頭にされたらしい神ちゃん。中学とともにヤンキーも卒業しようとトレードマークの金髪もきっちり染め直して今は黒髪。見た目はきゅるんきゅるんでめちゃくちゃかわいらしい。そんな過去、言うても誰も信じひんやろ。

「そら、惚れるわなぁ」
「え？なに？」
「二人、お似合いやって思っただけ」
「ほんま？？」

めちゃくちゃ嬉しそうに笑う神ちゃん。つい、ぎゅうっとハグ。

「おいっ！小瀧！！離れろやっ」

聞き慣れた声。向こうからすごい勢いで走ってくるのは、やはりしげ。最初はあまりにタイミング良すぎて、発信機でもつけられてるんかって心配したけど、
どうやら、対神ちゃんアンテナが激しく感度良すぎるらしい。笑