Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ18)

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角を曲がると、うちの高校の制服もいなくなるから、思い切って手を繋ぐ。もちろん、恋人繋ぎ。

「...っ」

息を呑む恋人の初々しさに、心臓はすでに破裂寸前。

「かわい」

会うたびに溢れるともへの気持ち。

引かれへんかな、
嫌がってへんかな、

そんなこと、もう思わない。
真っ赤な顔して、目を猫みたいに細めて笑うともは、世界一幸せそうやから。
んで、その顔させてるんが俺なんやって事実が、俺を世界一舞い上がらせる。

立ち止まる。
と、びっくりして、隣に立ち止まるとも。

その目を丸くした顔がかわいくて、好きが溢れて、
少しだけ開いたちょっと間抜けな口に、気づけば唇を押し当てていた。

「とも、ほんまに好き」

「出会えてよかった」

恥ずかしげもなく愛の言葉を紡ぐ。
伝えても伝えても、伝え足りない。
それくらい、毎分毎秒、溢れてくる気持ち。

頬を撫でて抱き寄せると、甘くて幸せな匂いに包まれる。

やから怖い。

ともには、

ともにだけは知られるわけにはいかない。