Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ15)

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「カップルみたいやなって。アイツに嫉妬しただけ」
「だけ？」
「…うん」
「不服やな」

口を尖らせると、

「しげはさぁ、いつも俺の何見てんの？」

「しげとおる時が一番幸せよ？伝わってなかった？」

不満げに言うて、そのまま俺のスマホ操作し始めた。写真フォルダをスクロールして、神ちゃんが選んだのはこの前のお忍びドライブデートでのツーショット。

「ほら。しげとおる時の俺、めっちゃかわいくない？」

画面の神ちゃんは、アイドルしてる時とも違うメンバーとおる時とも違う、さっきの写真とも違う。
うまく言葉にできないけど、とにかくめちゃくちゃ幸せそうな神ちゃん。
照れ隠しのドヤ顔を見せる神ちゃんに、愛おしさが溢れ出す。

「最っ高にかわいい、です」
「他に不安は？」
「ありません」
「不満は？」
「ありません」
「言いたいことは？」
「ありません」
「よろしい」

チョケた声色。
笑った神ちゃんと目が合う。

好きやなぁって見つめてたら、一度伏せたまつ毛。
次に目が合った時には、その瞳は濡れていて。

首に腕が巻き付いて、キスをして、

“いいよ”の合図。