Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ14)

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「え…」

「もぉ、何なん急に⁉︎ほんま、今日のしげ変やって！」

言うてるの無視して手をショートパンツの中に滑らせる。

「なぁ、ええやろ？」
「え…どうしたん？答えてくれなそんな気になれへんわ」
「恋人やろ。えっちするのに許可いるん？」
「…しげ。それ、本気で言うてる？」

声色が変わった。
お芝居でしか聞かない、怒りを含んだ声。

「もしそれがしげの本心なら、俺もうしげとはできひん」

感情の見えない目で立ち上がると、寝室に向かう。

「ごめん、本心やない！なぁ、待って、」

必死に腕を掴むと、この胸に手繰り寄せる。

「ちゃんと言うから、やからっ」

腕の中で振り返った神ちゃんは、優しい顔。こうでもせえへんと、俺が素直になられへんの、お見通しなんやろう。

「聞かして？しげの今の気持ち」

胸にそっと手のひらを当てると、唇と唇とが合わさる。やっぱりこの子には勝たれへん…

「おいで」

ソファに手を引かれて、ピタリと隣に寄り添う。男前でかっこいいのに、かわいらしさは溢れてる。

「何心配してるん？」
「…これ」

スマホを差し出す。画面には、さっき送られてきた自撮りツーショット写真。
その中の神ちゃんは、猫みたいな柔らかい笑顔。

「で？」

とぼけてるわけではないらしい。目を丸くしてる。