Colorful stories 14 （W.短編集） (ページ2)

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前に並んだ新入社員を見ると、もうこの時期なんやなって毎年思う。
あっくんが紹介していくたびに、少し辿々しくも初々しい挨拶。隣の空きデスクにはどの子が座るのか。ドキドキとワクワクと。

「小瀧くんの教育係は神山」

急に名前を呼ばれて、肩が跳ねた。
目が合った“小瀧くん”は、目が合うと懐っこい笑顔でお辞儀した。

人見知りなのに…という不安は早々に打ち砕かれた。
隣のデスクに座ると同時に、身を乗り出した。

「小瀧望です！大学では稀代の2.5枚目って呼ばれてました！あだ名はのんちゃん。末っ子で甘えん坊です！よろしくお願いします！」

「…先輩？どうかしましたか？」

圧がすごい。笑
人見知りなんて言ってられない距離感と弾丸のようなおしゃべりに、俺も流星も圧倒されて。

「ふふ、よろしくな？のんちゃん」

吹き出してしまう。

「え…やば…」

「かわいい…っ！めちゃくちゃかわいい…先輩…！」

「ねぇ、もっかい笑ってくださいっ！お願い！」

子犬みたいにじゃれ付くくせに、姿形は大型犬。

「ちょっ、近いって！重い！のんちゃん！」
「小瀧くん。そろそろオリエンテーション始めとかな、神ちゃんと一緒にランチ行かれへんで？」
「神ちゃん？さらにかわいいっ！神ちゃん先輩っ！」

流星の珍しくスマートな？フォローに助けられて、教育係の初仕事に乗り出した。