このリングに願いを込めて (ページ48)

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「俺、大毅さんのことが好きです」
「え？は？うせやん！」

ちょっと俯くとまつ毛が瞬いて、つい見惚れてしまう。

「大毅さんに俺は、つり合わないって思ってました。正直、今も思ってます。俺は役に立てるんかなぁとか、大毅さんに何か与えられるんかなって」

「けど、考えるのはやめました」

「好きやから一緒にいたい、それでええのかもって」

「もしうまく行かへん時は、ちゃんと話し合おうって。そしたら大概のことはうまく行く気がして」

「大毅さんとなら、何で乗り越えていける気がしてるんです」

「告白の返事、」

真っ直ぐ見据える瞳。

「俺も好きです。一緒に…いたいです」

「俺も、大毅さんを守れるようになります」

「やから」
「もう十分守られてる。一番の味方がおってくれんねん。今の俺、めちゃくちゃ強いと思う」

「ボクシングが好きやって胸張って言えるのは、神山くんのおかげ」

「神山くんに出会って、俺、めちゃくちゃ変わった」

「俺は、みんなに愛されとったんやなって」

「ほんまに大切にせなあかんのはその人たちなんやって」

「俺はもう、迷わへん。俺を信じてくれる人たちのために」

「神山くんのために、俺はがんばるから。やから、」

「一緒におろう？」

差し出した右手を、白い手が力強く握りしめた。