このリングに願いを込めて (ページ42)

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「神ちゃん、なんか変わってました。悔しいけど、もっとええ男になってた」

泣きそうな、でも幸せそうな。
きっと彼の頭ん中には、ニコニコ笑ってる神山くんがおんねやろ？

「重岡さんのおかげなんやろなって。見てたらわかる」
「ちゃうのよ。俺が変えたんやなくて、俺が変わったの。あの子のおかげで」
「あの子とは…出会ってまだちょっとやけど、出会った頃からずっとあんな感じ」

「穏やかでがんばり屋さんで、でも頑固で」
「そうそう、芯が通ってるのに、その芯持ち運べるでしょ」
「わかる！あの芯、たぶんシリコン製なんよ。しなるから、折れへんの！」
「まじでそれ！」

いつの間にか意気投合。
好きな子のことやもん、いくらでも話せるし。

「おお、楽しそうやなぁ、」

サービス
言うて、山盛りの串をテーブルの中央に置いた。

「神ちゃんね、ほんまかわええよなぁ〜」

腕組んで、うんうんって頷くハマちゃん。
ここにも仲間がおった。

「けど、あの寝言、たまらんかったなぁ！」

「意外と寝相悪くて、毎晩大変やったわぁ。ええ匂いやし、抱き心地ええし、最高やったわ」
「「はぁ？」」

ん？
とぼけた顔したところで、他のテーブルに呼ばれて行ってしまった。

「確認しよか」
「せやな」

きっと目の前の小瀧と俺、おんなじ顔してる。
斜め前に、少し怯えた流星の顔が見えた。