このリングに願いを込めて (ページ40)

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かわいらしい笑顔に見送られて、向かった先は“濱ちゃん”

「おお、しげちゃん！いらっしゃい！」

落ち着くハマちゃんの笑顔。

「神山くん、明日退院やって」
「ほんま⁉︎よかったぁ〜」

ない肩さらに撫でて、天を仰ぐ。

「俺のせいで神ちゃんになんかあったらどうしようかと思ったわ」
「ハマちゃんのせいやないやろ」
「けど、俺も止められへんかったから」

居候してる間に、神山くんを止めようとしてくれてたらしい。

「ちゃんとやめさせる。俺が守るから」
「…しげちゃん！いつの間にそんなええ男に…！」

おどけて見せてるけど、めちゃくちゃ嬉しそうなん透けて見える。ハマちゃん、わかりやすいねんもん。笑

カウンターに座って烏龍茶に口をつけたところで、扉の開く音がして、

「いらっしゃい！」

ハマちゃんの威勢のいい声が響いた。

「重岡さん」

急に呼ばれた名前にびっくりして振り返ると、今朝のイケメン2人組と目があって、ぺこりと頭を下げた。

「ハマちゃん、あっちええかな？」
「お、ええよ？」

テーブル席に移動すると、2人と向かい合う。

「神ちゃんの大学の同期に聞きました。ここで毎日バイトしてたって。やから、重岡さんに会えるかもと思って」

黙り込んでいるノンチャンの代わりにリューセーくんが話し始めた。

「望、」
「うん」

話があったのは、もちろん望くんの方。
今からが本題ってわけ。
　