このリングに願いを込めて (ページ31)

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昼間一緒に行ったスーパーで買ってきた缶ビールとレモンサワーを手に食卓へ。

「今日も飲んで大丈夫ですか？」
「神山くんと飲みたかったの」

結構勇気の要った一言。
受け取ってくれたから、とりあえず第一関門クリア。

「初めては外やなくて家で飲んだ方がええもんなぁ」
「説得力ありますね、大毅さんが言うと！笑」

イジってくるやん！
悪い気はせえへんけど。

「乾杯～」

缶同士のぶつかる鈍い音。
一口飲んで、

「うま。ジュースみたい！」

そらそうやろ。3％のレモンサワー、味はジュースに決まってる。

「大毅さんって、いつもビールですよね。おいしいですか？」
「いる？」

差し出した缶に唇がふれる。
間接キスやん…
恥ずかしくて目を逸らしたい気持ちと、目が離せないドキドキと。
お風呂上がりの神山くんは、色っぽい。
ちっさな唇が缶の縁を咥えると、少しずつ傾ける。

「苦っ、」

べって舌出して、レモンサワーで口直し。

「みんなおいしそうに飲むから、もっとおいしいもんかと思ってました」
「疲れた時とか汗かいた時とか最高よ！」
「へぇ〜」

不満なのか、納得いってないのか、はたまた興味ないのか。
ポテトサラダを頬張ると、またレモンサワーをごくりと飲んだ。