検索窓
今日:41 hit、昨日:62 hit、合計:78,859 hit

20 ページ20

「もうちょいショー魅せてやぁ!」
「十分魅せたやろ」
「言うなぁ。開始10秒でKO、伝説やわ!たまらんかったわぁ!」

「ほいで。これは?モンチさんのおかげですか?」


マウスピース外されながら目をやると、相も変わらずポカンと口が開いてる神山くん。
拳を上げると、我に返ったらしい。
にこぉって笑うと、小さく拍手をくれる。


「神山くん、ボクシング初めてやねんて」
「ふーん。ええんちゃう?」

「悔しいけど、かっこよかったわ…」


地団駄踏みながらも満足そうなセコンド様。




控え室で今だにテンション高い照史からのボクシング愛を受け流していると、ドアが開いて覗いた淳太。


「なんや淳太か」
「おぉ、ひどい言いようやな。ほんなら神ちゃん、俺と飯でも行く?」


淳太の後ろから覗いたのは、


「お疲れさまでした!」


会いたくて会いたくてたまらなかった人。




「めっちゃカッコよかった!すごかったです!!」


興奮そのままに、感動を伝えてくれる。


その視線がふと下がると、ちょっと下で止まる。
練習でついたアザに、白い指が微かにふれる。



「痛く、ないですか?」
「うん」
「俺、また大毅さんのボクシングしてるとこ、見たいです」
「やめへんよ。やっぱ好きやもん、ボクシング」

「また勝つとこ、見せたるから。次も見に来てな?」



君のおかげ。
それを伝えるには、もうちょっと勇気が足りないから、こっそり心の中で伝えとく。



いつの間に照史と淳太はいなくなっていて、神山くんと二人。

21→←19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (184 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
417人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:7129 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129  
作成日時:2023年9月19日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。