記憶 (ページ5)

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「ホットケーキにしよ」

「バターとはちみつ♪バターとはちみつ♪」

鼻歌歌いながら、冷蔵庫ゴソゴソ。

ほんまいつも楽しそうな人。
リア充っていうん？なんかそれも違うねんな。
俺みたいなんにも優しくして、
きっと、根っこからええ人なんやろなって。

ほっとってくれてもええのに。

けど、ホットケーキはちょっと食べたくなったし。

つらくても、悲しくても、生きてるの嫌でもお腹はすく。

「あ゛…」

冷蔵庫から覗く、絶望の表情…

「卵…ないっ！」
「ふはっ」

「んはっ、」

「やばっ、大毅さん…ガキやん！笑」

「ひっ、笑い止まらへんっ、」

久々に使った腹筋は、それだけでもうフルフル。

「卵！すぐ買い行ってくる！」
「いらんって。牛乳増やせばだいじょぶ」
「え、そーなん⁉︎」

結局俺がキッチンに立つハメになって。

ドタバタ隣に付きまとう大毅さんあしらいながら、

出来上がったホットケーキ、2枚ずつお皿に乗せてバターと蜂蜜乗せて。

大毅さんと向かい合う。

「神ちゃん、天才！」

「んま〜♡」
「やっぱ料理すんねんな。台所にあるもの見て薄々感じてたけど」

「てことは、俺の料理にがっかりしてたやろ、」

ううっ、
肩を上下させながら泣き真似。

ほんま、いつも楽しそうな人やこと…