記憶 (ページ34)

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After story ページ34

カーテンの開く音で、目を覚ます。
なかなか開かへん瞼の隙間から覗くと、

覗き込むのは、真っ黒な瞳。
ここはしげと似てるかも。

「そんな見らんとってやぁ」

視線に耐えかねたのか、照れた顔を離す。
この場合、照れるの俺ちゃうの？笑
けど、照れ屋なとこも照れた時の表情も、やっぱり似てる。

「…ん」
「…やっぱ疑ってる？」
「疑ってたらせえへんて、あんなん…」

「かわいかった」
「はずいって」
「もっと好きになった」
「おれも、やし」

朝っぱらから、何度も降ってくるキス。
ふれるだけのソレ。あの頃よりずっと大人なのはなんでやろう。

「信じてるけど…不思議な感じ」
「それはわかる。俺も不思議やもん」

「どうしたら信じてくれる？」
「信じてるって」
「じゃあ俺しか知らん秘密…えっとぉ…」

「そーいえば、ハマちゃん…どうしてるかなぁ」

すっかりしげは、記憶の迷路の中。

出会ってからバイバイまではすごく短い期間。それでも、しげと過ごした時間は、どれも大切な記憶ばっかり。