記憶 (ページ20)

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あれから3日、しげからの連絡は来なかった。

けど、週があければ学校が始まる。
そしたらしげに会える。

寂しさと、
不安と。

けど、楽しみと。

それなのに、
二学期初日、しげは学校を休んだ。

しげからの連絡はないまんま。
誕生日プレゼントは、出番のないまま、
スクバの中で揉まれて、包みにはしわがよってしまった。

拗らせて入院でもしてるんかも…

学校のプリント預かって、ハマちゃんに家の場所聞いて、その住所目指してチャリを走らせた。

チャイムを鳴らす。

「クラスメイトの神山と言います。先生に頼まれて、プリント持ってきました」
「あぁ！あなたが神山くん⁉︎」

インターホン越しの声。表情が見えそうな声色。

しばらくして出てきたのは、おもろいと噂のしげのお母さん。俺を見て目を丸くした顔がしげそっくりでホッとする。

「あの子ぉ、寝てるんやけどええかなぁ？」

招き入れてくれて、しげの部屋までの階段をのぼる。

ノックをすると聞こえた、小さな返事。
ドアを開けると、ベッドに横になったしげと目が合った。

「しげ、大丈夫なん？」

「何か痩せてない？」

「風邪、そんなにひどいん？病院行ったん？」

あまりにも弱々しいしげに、捲し立てるように言うてしまう。

「うん、病院には、行ってる」

「薬も飲んでるから」

言葉少な。
笑顔も全然足りない。

「熱あるんちゃう？」

おでこに手を伸ばすと、めっちゃ熱い。

「え、あるやん！お母さん、知ってるん？俺呼んでこよか？」
「待って、」

立ちあがろうとした俺の腕を掴んだ。