The weeping glass（恋にて短編集）

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？

足元に何かがぶつかる感覚。“何か”って、しげの足以外にないけど。

無視して続けるも、


…


…


「邪魔」
「へへっ」

「やめぇや」
「やーっとこっち見た」


頬杖ついて、ひひひって笑う。
ほんまに嬉しそうに。


「勉強せんなら帰るで」
「ごめんて！神ちゃん！」

一応慌ててシャーペンを持つ。
けど、頬杖ついて、ずっと俺のこと見てる。
ちなみにお揃いなのは、修学旅行で一緒に買うたから。



謝っときながら、全っ然悪いて思ってない顔。しげのこの顔、嫌いやないけど。







「っ、！」

「ちょっ、やめてやっ」
「柔らかっ、」

無視してテキスト読んでたのに。
髪さわさわして、指に巻きつけて、


「ええ匂い…神ちゃんの匂い、」


なんて言ってみたり。

しげがやるといやらしくないから不思議…


目が合うと、いっつも照れてニヤって笑って、変な顔してチョケるのに。
そんな真剣な目でじっと見つめられたら照れるに決まってるやん。
まじでギャップの塊。


それなのに、


「神ちゃん、照れた」

「かわえぇ、」


なんて、
まるで恋人みたいな目ぇして、
恋人みたいな声で言うから。

俺の顔は、熱くなる。




親友で幼馴染。
…のはずやったのに、

俺の中でも、しげへの気持ちは、前とは明らかに違う。

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