Colorful stories 11（W.短編集）

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それからも相変わらずな毎日。
優しい優しい、重岡先輩。
愛想尽かされへんように、一生懸命しゃべったりしてみるけど、いっつも、全部先輩から。


「神山くん、小瀧と仲よかったよな？」


先輩の口から、突然親友の名前が出て、一瞬フリーズしてしまう。


「あ、はい。高校からの親友です」
「あの子、めっちゃおもろいなぁ」


のんちゃんの“お兄ちゃん”藤井先輩は、造り物みたいなイケメンさん。のんちゃんも相当なイケメンやし、有名兄弟。
そして、藤井先輩は重岡先輩の親友でもある。


「イケメンなのに、いきなりカフェで”漫談始めるしさぁ」

「ホンマ最高やったで、アイツ」


一緒にでかけたんや…
俺ができひんから、きっと藤井先輩が気ぃ利かせた、とか？
親友のこと褒められてるのに…心にはモヤモヤが渦巻いてく。


「なら、今度小瀧も呼んで、4人で遊ぼうや」
「はぃ、」


笑えてたか自信はない。


「先輩、ごめんなさい。俺、昼休みにせなアカン課題残ってて」

「失礼しますっ！」


顔も見られんと、逃げるように教室に走った。


「神ちゃん、どうしたん？早ない？」
「しげと喧嘩でもした？」


廊下で話してたイケメン兄弟が、心配そうな顔で覗き込んでくる。


「やっぱり…のんちゃん、かわええなぁ、」
「どうしたん？神山くん。」


藤井先輩まで困った顔して。

ホンマに優しい。ホンマにお似合い。
自分が惨めで、泣きたくなる。


「いえ、何もないです、」


そのまま、教室に逃げ込んだ。

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