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「しげ、それ冷凍庫入れてこよか?」
ラグにぺたりと座ってるともの前には、小さなビニール袋。
「そうやった!まずは食べようや。」
「このお店、まだ行ったことないねん。気になってたんやけど」
慌てて取り出して、神ちゃんの前に2つのクレープを並べる。
嬉しそうに微かに笑うけど、笑顔にも力はない。
「この店見てたら、とものこと思い出して、家の前来とってん。そん時、流星に見つかって」
とりあえず、食べよ、
そう言って紙袋からクレープを取り出した。
「どっちもチョコバナナやん」
「どうせ、神ちゃんはチョコバナナ一択やん」
「せやけど、」
どっちにしよ、
そう言って、アイスやない方を手に取った。
意外。
絶対アイスに行くと思ったのに。
「いただきます」
スイーツモリモリ食べるとも、好きやったのに。
俺なら二口で食べ切れるくらいの小さなクレープを半分以上を残して、テーブルに置いた。
「あんま食べれてへんの?」
「…誰のせいやと思っとんねん…っ、」
怒ったように言うけど、目からは涙が溢れそう。
「ごめん、」
抱き締めると、思ったよりずっと細くなってるのがわかって、後悔が次から次へと押し寄せてくる。
「神ちゃん、ごめん。ほんまにごめん。神ちゃんに必要とされてないんかと思ったら耐えられへんくて。ずっと後悔してた。ともがおらへん生活、なんも楽しくないねん。ともがおらな、あかんねん。」
「おれ、も、」
俺の胸の中で、しゃくり上げながら、ぎゅっと服の裾を握り締める。
「神ちゃん…?」
呼ぶと、涙でぐちょぐちょの顔を上げる。
親指で涙を拭って、久しぶりのキス。
離れると、神ちゃんの方からキスしてくれる。
何度も何度も、ふれるだけのキス。
目を開けると、まつ毛が涙で濡れてる。
「神ちゃん、もっかい、俺とやり直してくれませんか?」
「…俺も、しげといたい、」
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7129(プロフ) - めぐおさん» コメントありがとうございます!!これ描こうとして、朝から10000字インタビュー読んで泣いた私です…これからも大好きな彼らを応援しながら、いっぱい妄想したいと思います💚もっといろんなお話が描けるようにがんばります💪 (2023年4月23日 12時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
めぐお(プロフ) - 記念すべき日に素敵なお話ありがとうございます。7129さんも彼らも大好きです!これからもいろいろなお話を読めるの楽しみにしています♡ (2023年4月23日 12時) (レス) @page40 id: 17cbbe6ec7 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - mimiさん» うっかりミスしました〜💦💦教えてくださってありがとうございます😂恥ずかしっ😭 (2023年4月14日 13時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - 最新の更新の10ページ目、内容がにゃんにゃんエレジーだと思うんですが… (2023年4月14日 12時) (レス) @page37 id: 0e3efe4d26 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - ゆずさん» ゆずさん、初めまして!!コメントありがとうございます😚読んでくださって嬉しいです💚これからも色々はお話描くの、がんばります🔥 (2023年3月16日 21時) (レス) id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:7129 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時:2023年3月13日 19時